建学の精神

山村学園短期大学建学の精神

質 実
素直な気持ちを持ち、感謝の気持ちを持って働く人間を育成する
英 知
高い知性と優れた創造力を発揮できる人間を育成する
愛 敬
人を慈しみ、尊敬する心を持った人間を育成する

本学園は、大正11年9月1日、埼玉県川越町(現、川越市)において、「裁縫手芸伝習所・山村塾」が開設されたことから始まる。昭和3年には、山村裁縫女学校となり、昭和6年4月30日には当時の文部大臣より中等学校への認可がおり、山村高等裁縫女学校となった。昭和26年4月、埼玉県坂戸町(現、坂戸市)に家庭科課程の山村女子高等学校が開校し(後に山村第二女子高等学校、山村国際高等学校に校名変更)、昭和35年4月に埼玉県川越市に商業課程の山村女子高等学校を開設した。
 学園創始者である山村ふみよは、大正から昭和初期にかけての時代を背景に、①高い技術を持ち、地域社会に貢献できる女子の育成、②妥協のない厳しい指導と一人ひとりを大切にする指導を建学の精神として、「貞淑、愛敬、質実」の3つの校訓を掲げた。それぞれの意味するところは次のとおりである。
「貞淑」-貞とは精神が定まって動かないこと。淑とはしとやかで言葉遣いも上品であること。生活の目標をしっかり立て、しっかりした心持ちで毎日を過ごすこと。自分を大切にすること。
「愛敬」-愛はいつくしみ、めぐむこと。敬とはうやまうこと。人にも物にも親切な気持ちで接すること。上長を敬い従う気持ちは単なる服従ということではない。人を大切にすること。
「質実」-質とは質素のこと。実とは真実であり、正直であること。飾りなく心にいつわりのないこと。物を大切にすること。
 その後、学校法人山村学園の2高校、短期大学が男女共学となったことから、「貞淑」を変えて
「英知」-優れた知恵・高い知性をもち、豊かな創造力を発揮する人間の育成とした。
 短期大学に関しては、山村女子短期大学国際文化科の設置が昭和63年12月22日に認可され、平成元年4月1日に埼玉県比企丘陵の一角、比企郡鳩山町に定員150名で開学した。一人ひとりの学生を丁寧に指導し、国際的な教養を身につけた女子を育成するという教育理念のもとで教育活動を行ってきたが、この間、社会的諸条件の変化に対応すべく、幾多の改革を重ねた結果、当初の国際文化科は、平成14年から「コミュニケーション学科」に改組し、同時に、保育士の養成を目的とする「保育学科」が新設された。また、この機会に男女共学になったため、校名も山村学園短期大学に改めた。その後、コミュニケーション学科は、平成24年度から「キャリア コミュニケーション学科」に名称変更し、平成26度末をもって廃止した。保育学科は平成25年度より入学定員を100名に増員、また令和元年度より「子ども学科」に名称変更し、現在に至っている。

短期大学の教育の目的・目標

 本学は、学校教育法(昭和22年法律第26号)に基づき、建学の精神のもと、「質実」、「英知」、「愛敬」を旨とし、現代社会に対応し、人間に対する深い理解と愛情を備えた心豊かな人材を育成し、もって広く社会の発展に寄与することを目的とする。(山村学園短期大学学則、第1章第1節第1条第2項)

子ども学科の教育の目的・目標

 子ども学科においては、高い保育の専門性と豊かな人間性を兼ね備え、地域社会に貢献できる骨太な幼稚園教諭・保育士の養成と、その基礎となる教育研究の推進を目的とする。(山村学園短期大学学則、第1章第1節第1条第3項)

山村学園短期大学教員倫理憲章

Ⅰ.総 論
 私たち山村学園短期大学の教員は、短期大学に課せられた公共性と公的・社会的性格を認識し、建学の精神に則り、情熱をもって教育を行い、その実現に向けて努力します。
 これらの目的達成のため、ここに「山村学園短期大学教員倫理憲章」を自らの意思で定め、これを遵守し、その達成に貢献します。

Ⅱ.大学の一員として
 私たちは、本学創立の理念を尊重し、その目的の達成に貢献します。
1 私たちは、法令を遵守し、公序良俗に反するような行いを厳に慎みます。
2 私たちは、法人の方針、学内の諸規定並びに職制に定める所属長の指示を誠実に守り、職場の秩序の保持に努めます。
3 私たちは、教育研究の場はもとより、日常的な行動においても法人及び本学の名誉・信用を傷つける行為をいたしません。
4 私たちは、本学専任教員として本務を優先し、出校して教育及び研究に従事します。許可なく学外の業務等に従事いたしません。
5 私たちは、本学の共同の営みに積極的に参加します。
6 私たちは、本学における勤務について、定期的に業績評価を受けます。
7 私たちは、本学の公的資源を私的利益のために用いません。
8 私たちは、教員同士協力しあい教育の実をあげるとともに、事務職員とも真摯に協力し、相互の連携のもとに本学の円滑な運営に努めます。

Ⅲ.教員として
 私たち教員は、学生の信頼に応え、知的営みの先達として、学生の学習する権利を擁護するとともに、本学が定めるカリキュラムに従って教育活動をします。
1 私たち教員は、公私の区別を明確にし、教育者として学生の模範となる品位ある行動をとります。
2 私たち教員は、授業および学生指導において、学生の人格を重んじ、教育者として学生の自由な学習を支援します。
3 私たち教員は、自己の教育能力を開発し、授業の内容および方法を改善することについて、不断の努力を怠りません。
4 私たち教員は、自己の教育活動に対する学生の評価・批判に真摯に応答します。
5 私たち教員は、成績評価、単位認定その他学生指導全般において公正を確保します。
6 私たち教員は、権威的な姿勢で学生と接しません。学生に対してその地位を利用した人権侵害を行いません。
7 私たち教員は、担当主題と無関係な問題を教室に持ち込みません。
8 私たち教員は、学生や保護者、卒業生、支援者等からの意見、批判、要望等を真摯に受け止め、説明責任に基づく誠意ある回答をします。その上で問題があれば、速やかに改善するよう努めます。

Ⅳ.研究者として
 私たち教員は、知識の探求を通じて社会に貢献します。  
1 私たち教員は、学術研究に精励し、研究成果を公表します。
2 私たち教員は、自己の専門分野の進展について、常に関心を持ち、その成果を教育に反映させます。
3 私たち教員は、私的利益を目的として研究を行いません。報酬を伴う研究その他の活動は、本学の了解に基づいて行います。
4 私たち教員は、他の研究者の学問的立場を尊重し、学問的批判に対しては誠実に対応します。
5 私たち教員は、公的に用意された研究資金を不正に用いません。

Ⅴ.社会に対して
 私たち教員は、自己の専門分野の知識を生かし、公共の福祉と文化の向上に寄与します。
1 私たち教員は、常に地域社会への貢献や連携を考え、開かれた大学作りを行っていきます。
2 私たち教員は、公職への奉仕を求められた場合には、可能なかぎり協力します。
3 私たち教員は、公職に就くときは、その職務に伴う権限を特定の個人や組織の利益のために使いません。反社会的行為に加担しません。
4 私たち教員は、入学試験の公正・適正な実施に協力します。